【八王子市】八王子の女性がダイエットでトレーニングを始めたら、競技歴1年未満で日本最高重量記録更新。夫婦揃ってパラリンピックへ挑戦します

田中秩加香選手

2023年1月29日(日)、築地本願寺にて「第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」が開催されました。
この大会に出場した東京都八王子市在住の「田中秩加香(たなかちかこ)選手」の競技歴は1年未満。

約3年前にSSAI協会(障がい者アスリート育成協会)との出会いがあり、ダイエットと健康のために始めたトレーニングでしたが、トレーニング指導を受けるうちに徐々に才能の片鱗が現れました。
SSAI協会代表兼トレーナーの長田さんから「田中秩加香選手のパワーは世界に通用する」とパラ・パワーリフティングを勧められたのです。
長田さんと2人3脚で始めたパラ・パワーリフティングに取り組んで10ヶ月。国内最大規模の大会である全日本選手権に出場すると、歴代最重量の79kgを上回る80kgの記録達成!
今後の田中秩加香選手の活躍から目が離せません。

田中秩加香選手

田中秩加香選手

上肢のみでバーベルを持ち上げるパラ・パワーリフティング。これをダイエットのメニューにSSAI協会トレーナーの長田さんが取り入れました。様々なメニューを取り入れる中で、車いすユーザーは創意工夫をしながらのトレーニングが求められます。
健常者の取り組むベンチプレス台では、下肢障がいのある人は利用出来ないというのがトレーニング界隈では当たり前。一般の複合型フィットネスクラブでは、利用を断られる事も日常茶飯事。そんな現状のなか始まったトレーニング人生でした。
でも、障がいのある人でも少しの工夫とアイディアで、トレーニングに取り組めるようになるのも事実。トレーナーの長田さんと試行錯誤しながら自分のトレーニング方法を模索したそうです。

そんな矢先、下肢を固定するバンドを使用して、足先をパイプ椅子に乗せれば、ベンチプレスに取り組める事に気付いた田中さん。
初めてのベンチプレスは20kgから始めました。グラグラするしフォームはグチャグチャ。正真正銘の初心者です。
トレーニングを続けるうちにフォームが安定してきて、わずか1ヶ月で30kg10回が挙げられる様になったそう。すごいことです!女性がこの重量を挙げるには、それ相応にトレーニング期間が必要になってくるのに、そんな重量をわずか1ヶ月で易々と挙げてみせたのですから。
でも、同階級の当時の日本記録は67kgで、まだまだパラ・パワーリフティングを始めることは頭にありませんでした。本来の目標通り減量しながらベンチプレスに取り組んでいました。

田中秩加香選手

田中秩加香選手

トレーニングを始めて1年を迎える頃、ベンチプレスはなんと、60kgを挙げられるようになったそう。ベンチプレスに特化したトレーニングプログラムでないのにも関わらず、ここまで成長することはトレーナーにとっても衝撃です。SSAI協会代表兼トレーナーの長田さんから「田中秩加香選手のパワーは世界に通用する」とパラ・パワーリフティングを勧められたのがこの頃です。
圧倒的な成長力もあり、パラパワーリフティングを意識し始めたトレーニングが始まると、田中秩加香選手と長田トレーナーで相談して、まずは日本一の選手になることを目標に取り組みました。
重量と反復回数の変更、ケアや疲労回復、トレーニングプログラムの見直しをして、週3回のトレーニングに励んだのです。
3月から始まったベンチプレス特化のトレーニングプログラムでメキメキと頭角を表した田中秩加香選手。初めての大会は2022年4月17日に行われた「京都チャレンジカップ」を目指すことになりました。

パラ・パワーリフティングは通常のベンチプレスと異なり、
①「スタート」、「ラック」を審判の合図を聞いて実施する。
②バーベルを平行に持ち上げる。
③バーベルが胸に触れた状態で一時停止する。
上記3点が必要になります。

田中秩加香選手

技術面の指導を乞うため、パラ・パワーリフティング協会のHDD(ハイパフォーマンスディレクター)吉田進氏が運営する「パワーハウスジム」へお邪魔させてもらうことに。
吉田進氏は全日本パワーリフティング選手権を複数回優勝していると同時に、数々のチャンピオンを育て上げる敏腕指導者です。
出迎えてくれたのは、吉田進氏と吉田寿子氏。吉田寿子氏もパワー・リフティングの名選手であり名指導者。温かい雰囲気の2人と今後の展望を話し合っている中、実際にベンチプレスをしてみてはとの提案があり、いつも練習しているのは健常者用のベンチ台でしたが、パワーハウスにはパラ・パワーリフティング専用のベンチ台が置いてあったのです。こんなありがたい事はないと、お言葉に甘えて挑戦させてもらったところ、パラ・パワーリフティングのルールに則った試技はもちろんできませんが、2人は田中秩加香選手のパワーを見て驚きの表情を隠せませんでした。

田中秩加香選手

田中秩加香選手

初心者女性が60kgの重量を挙げるなんてトレーニング界隈では考えられないことなので驚くのは当たり前のことです。田中秩加香選手と長田さんはパラ・パワーリフティングの道を進む事を決めて、早速4月に開催される「京都チャレンジカップ」の申し込みをしたそうです。
パワーハウスジムで教わった練習方法を試しながら本番まで1ヶ月間練習を繰り返しました。

初めての大会「京都チャレンジカップ」では60kgの記録を残しました。技術面も徐々に付いてきている証拠です。
月日は進み、2023年1月29日(日) 「第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」に挑んだのでした。
田中秩加香選手は約9ヶ月で記録を20kg更新し、80kgを成功させました。この成長スピードは他の選手の平均伸び率の2倍以上です。日本最高重量を記録し、日本一に輝いた彼女は既に世界を見据えています。

「夢はパラリンピックに出場し、障がいを持っていても諦めない姿を見せて、皆に勇気を与えたい」と意気込んで練習に今日も励んでいます。
田中秩加香選手の旦那さんはブラインドサッカー選手の田中章仁選手(たまハッサーズ所属)。夫婦揃ってパラリンピック出場を目指して2人3脚で厳しいトレーニングに挑んでいます。

第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会は、八王子市片倉町にある日本工学院八王子専門学校とのコラボ運営だったそうで、選手サポートや競技理解・応援Webアプリ、動画制作やライブ配信など、全面的に協力いただいたそうです。

■クリエイターズカレッジ ■デザインカレッジ ■ミュージックカレッジ■ITカレッジ ■テクノロジーカレッジ ■スポーツ・医療カレッジの6つのカレッジの生徒さんが、それぞれの得意分野で活躍しました。 今年で5回目のコラボだったそうです。

田中秩加香選手も地元の若い生徒さんたちの応援を得て、堂々と戦えたのかもしれませんね。

パラリンピックで田中さんの勇姿をみられる日を楽しみに、八王子市民も応援したいですね。

日本工学院八王子専門学校はここ↓

長田様、号外NETに情報提供ありがとうございました。

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