
東京の“京”と八王子の“王”から名づけられ、1910(明治43)年9月に「京王電気軌道株式会社」と して発足した京王線。
1926(大正15)年12月には府中~東八王子間(1925年3月開通)の営業をしていた「玉南電気鉄道」を合併し、新宿~東八王子間の統一営業を開始しました。
1967(昭42)年には高尾線が開通し、さらに多摩ニュータウンの足として計画された相模原線は、 1971(昭46)年に京王よみうりランド、その後1974(昭49)年には京王多摩センターまで延伸し、現在まで、京王線は八王子市民の生活には欠かせない電車となっています。

路線バスも電車の開通と同じ1913(大正2)年に、京王線未開通区間の新宿~笹塚間および調布~府中~国分寺間で営業を開始しました。これは、東京で最初のバス営業だそうです。

そんな八王子市民に深く関わり愛されている京王電鉄の運賃が改定されます。
京王電鉄にとって1995年以来28年ぶりの値上げですが、並行して走る中央線と比べると、まだまだ安く都心に行けることに変わりはありません。
業界最安水準の運賃を維持してきた京王電鉄ですが、新型コロナウイルス感染症の影響は甚大で、2020年度、2021年度の2ヵ年ともに、コロナ禍以前の2018年度に対する輸送人員の減少率は関東大手民鉄8社 (関東大手民鉄7社:東武、西武、京成、小田急、東急、京急、相鉄)で最大となっているそうです。
経営への影響も大きく、安全に支障しない範囲での更新工事の先送り や、役員報酬や給与・賞与の削減など緊急的な費用の大幅削減を行ったものの、鉄道事業単体で2020年度は97億円の損失を計上。2021年度も14億円の損失と2期連続の赤字となっているそうです。

今回改定のポイント
(例)新宿・渋谷~高尾・京王八王子・橋本間は以下の料金になります。
きっぷ…370円→410円・ ICカード…367円→409円
通勤定期…1ヶ月13,750円 →15,310円・3ヶ月39,190円→43,640円・6ヶ月74,250円→ 82,680円
その他の料金・詳しくはこちら。
当社はこれまで、お客様や沿線にお住まいの方に信頼され、愛される鉄道になるため、「安全性の向上」や「サービスの向上」に積極的に取り組むとともに、生産性向上などの経営効率化に努めることで業界最安水準の運賃を長年に亘り維持してまいりました(直近の値上げは消費税率変更によるものを除くと約28年前の1995年となり、その後1997年には値下げも実施しております)。しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響により、利用者は同業他社と比較しても大きく減少し今後もコロナ前の水準までの回復は見込めないと想定される等、鉄道事業は極めて厳しい経営状況にあります。
今回の運賃改定申請は、このような状況下でも「日本一安全でサービスの良い鉄道」を目指し、
2021年10月に発生した車内傷害事件を受けた防犯対策や、ホームドアなどのバリアフリー設備の整備等を進め、またそれらを適切に維持管理することで、あらゆるお客様が安全・安心・快適にご利用いただける鉄道サービスを提供し続けていくために、不足する費用の一部についてお客様にご負担をお願いするものとなります。運賃改定にあたっては、固定費削減や業務効率化などあらゆる経営努力を徹底するとともに、さらなるお客様サービスの向上に努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。(
京王電鉄ニュースリリースより)
京王電鉄の取り組み
引き続き、「日本一安全でサービスの良い鉄道」の実現を目指し、駅・車両の安全対策や連続立体交差事業を着実に推進するほか、自然災害への備え、バリアフリー設備の整備などお客さまの利便性向上施策に取り組んでいくそうです。
京王電鉄の営業キロあたり設備投資額は関東大手民鉄7社平均が36億円に対し、50億円と業界の中でも高水準の投資を実施(2005年〜2021年実績)しています。
(例)八王子みなみ野駅~グリーンヒル寺田は以下の料金になります。
現金…250円→270円・ ICカード… 242円→270円
基本的な値上げ金額は+10円~40円です。 値上げ額は一律ではありません。(区間により異なります)
現金運賃、IC運賃については同額となります。(小児割引運賃等は除く)
金額式IC定期券「モットクパス」については、設定運賃範囲内の区間で利用できる定期券となっています。 運賃改定日以降、引き続き定期券は利用できますが、現行と同一区間利用の場合で も、乗車区間運賃が設定運賃を超える場合は、新運賃との差額がチャージ残額から収受されます。
モットクパスの詳しい取扱いにつきましては、こちらをご覧ください。