【八王子市】織物のまちから桑の都へ。八王子産の柔らかな桑の葉だけを丁寧に摘み取った体に良くって美味しい桑茶はいかがですか
八王子市は大昔から養蚕業が盛んで、畑ばかりでなく家や道の脇にも桑の木が栽培されていました。
八王子は関東山地と武蔵野台地の境に位置し、山地が多くを占め耕作地が少なかったため、養蚕や機(はた)織りは古くから農家の大切な仕事だったのです。
八王子織物の起源は、滝山城下の市(いち)で取引きされたころだといわれています。
17世紀はじめに出版された俳諧論書「毛吹草」(けふきぐさ)には、武蔵の特産として「瀧山横山紬嶋」(たきやまよこやまのつむぎじま)の名がみえます。
江戸時代には八王子十五宿が開設され、毎月4と8の日に市(いち)が開かれ、周辺の村々から繭(まゆ)や生糸、織物などが八王子の中心地に集まるようになりました。
八王子は日本の絹糸の生産・流通の拠点となった時に「桑の都」と呼ばれるようになったと言われています。
現在も絹糸を運んだと言われる「絹の道」が残っている他、駅前から国道20号バイパスに至る道の北側には「桑並木」があります。
JR八王子駅北口の連絡橋は、「マルベリーブリッジ」と名付けられ、その下にはシダレグワやヤマグワなどが植えられるなど「桑」との関係を現在も大切にしているのです。
そんな桑の街八王子で、現在も桑の木を大切にしている会社があります。
創輝(そうき)株式会社は八王子と桑の長い歴史の関わりに思いを馳せながら、飲用に適した桑の新種「創輝」を育て、商品にしています。( 創輝は2008年に農林水産省に新品種として登録されています)
八王子市は養蚕業や絹織物産業が隆盛の時、桑都と呼ばれ絹糸取引の中心地でしたが、 時代の流れで絹織物産業は衰退し、現在はほとんど市内では桑畑が見られません。
そこで、食用としての桑「創輝」を活かし、八王子市の各農家の休耕田や休耕畑、 丘陵地を活用して農業の活性化と桑都の復活を目指しているそうです。
「創輝」という新種の桑は従来の桑の葉よりも一回り大きな葉を持ち、青臭さが少なく抹茶のような特徴と高い栄養価を持っています。
創輝株式会社では、この「創輝」を使った桑の青汁や桑茶を、日本全国の健康に気を使う方が気軽に飲めるよう通信販売を行っています。
桑の葉は、7月から収穫が始まります。8月の初めまで約1か月が収穫の時期です。
「創輝」は葉が厚く大きいため、葉脈も太くなります。加工には不適な葉柄(ようへい=葉の茎のような部分)を残し、柔らかな葉の部分のみ、1枚1枚丁寧に収穫するそうです。
早い農家さんは朝5時から葉を摘み始め、その日のうちに工場に運び、お茶と同じ製法で加工されます。あら茶に加工されたあと、抹茶と同じようにパウダー化されます。
※加工の前に、必ず洗浄しています。
現在、八王子市内に6軒の農家(契約農家)が新しい桑「創輝」の栽培を行っています。栽培管理は各農家が行っていますが、収穫など人手が必要な時は地元農業ボランティア団体や学生有志などが作業を手伝い、農家の負担を減らしているそうです。
そうして作られた桑の葉100%のパウダーは青汁やお茶として販売されているほか、主に八王子市内の飲食店やスイーツショップで「桑の葉ハイ」や「桑茶」「桑の葉クッキー」「桑の葉ケーキ」「桑の葉羊羹」などとして人気メニューになっています。
近頃は和洋中華問わず料理にも使うお店が増えてきているそうですよ。(60軒以上のお店に創輝を使ったメニューがあります)
創輝製品は通信販売で手に入れることができますが、八王子駅やたま未来メッセ、桑都テラスや道の駅八王子滝山などでイベント販売を行うこともあります。
創輝株式会社は八王子産学公連携事業にも積極的に参加し、新しい桑を使った八王子名物の開発と普及にも取り組んでいます。
八王子で育てられている桑の葉を使った桑の葉製品を、ぜひ味わってみてくださいね。
創輝本社はここ↓