【八王子市】安全で乗り心地の良い京王線を目指し、超硬合金で線路を削るレール削正車がデビュー

京王線は2026年1月、走行時の安全性や乗り心地が良くなる民鉄初の超硬合金チップで切削する新型レール削正車を導入します。

レール削正車は、レール頭頂面の形状をよくするための保守車両です。

京王電鉄

これまでは砥石で削る方式のレール削正車を運用していましたが、今回ミリング式のレール削正車を導入することで、レール破断の要因となる傷の除去と発生を抑制させ、レール頭頂面の凹凸を除去し、レール頭部形状を新品形状に近づけるよう整えるそうです。

これにより騒音や振動を減らす効果が期待されていて、列車の乗り心地が向上すると共に、車両台車への負荷を軽減し、列車の安全性が向上するほか、レールの交換頻度が抑制されることで保線作業の省力化にもつながるという、鉄道会社と乗客の両方にうれしい効果が期待されます。

このレール削正車の導入は、京王グループ中期経営計画「HIRAKU2030」に掲げている「日本一安全でサービスの良い持続可能な交通」への1歩です。

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レール削正車の導入について
(1)ローベル社製ミリング式レール削正車
ROMILL(ローミル)600(ロッピャク) DT(ディーティー)(2両1編成)
※ミリング式削正ユニット搭載車(ROMILL Work)とミリングチップ作業室を備えた付随車(ROMILL Supply)の2台からなる1編成 

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導入経緯・課題
これまでは、砥石で削る方式によりレール削正を行っていて広範囲にわたって削正をすることが困難だったため、傷の状態や列車の累積通過重量に応じて適宜レール交換を実施していました。そのため夜間作業の増加やレール交換頻度の多さが課題となっていたそうです。
導入効果
①乗り心地の向上
レール頭頂面の凹凸を除去し、レール頭部形状を新品形状に近づけるよう整えるため、騒音や振動を減らす効果が期待されていて列車の乗り心地が向上します。
②走行時の安全性の向上
レールが割れる要因となる傷を除去し、傷の発生を抑制して走行時の安全性を向上します。
③車両の安全性向上
レール頭頂面の凹凸を除去し、車両台車への負荷が軽減され安全性が向上されるとともに、車両の長寿命化にも役立ちます。
④保線作業における業務省力化
レール頭頂面の傷んだ層を取り除くため、レールを延命させてレール交換頻度を抑制し、交換量を3割以上削減します。これにより、多大な労力のかかるレール交換工事を減らすことができます。
(4)仕組み
①縦方向に回転する超硬合金チップを備えたミリング式の切削装置によってレール頭頂面を削ります。作業方向へ1回の走行で、特定の箇所を削正します。
②レール頭頂面を削ったのちに、仕上げとして、砥石を回転させながらさらにレールを削正し、断面を整えます。 

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特徴
①レール切削により発生した切りくずは車両に付属したコンテナへ直接回収されリサイクルされるため、資源の有効活用ができます。
②双方の車両に動力を持たせることで、一方の車両がエンジントラブルの場合においても走行が可能です。
③1回の通過で作業区間のレールを削正するため、一晩で広範囲にわたってレールを削正することが可能です。

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運用体制
計3人(車両走行やレール削正の操縦者:1名、周辺の安全や削正量の確認者:2名)
導入時期
2026年1月から試験運用開始
導入エリア
京王線 全線
デザイン
京王のコーポレートカラーである「京王ブルー」と「京王レッド」を基調としたオリジナルデザインです。これまではアイボリーをメインに工事用作業車の塗装を行っていましたが、新技術を活用して、かっこよくスマートな保線業務への変革を目指し、最大の使命である安全を確保するイメージを持って、今回よりデザインを一新したそうです。

製造および設計・デザイン会社
車体製造    :ローベル社(ドイツ)
ミリング装置製造:シュベアバウ・インターナショナル社(ドイツ)
設計・デザイン :プラッサー&トイラー社(オーストリア)

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超硬合金はダイヤモンドの次に硬い合金です。夜間に作業をすることが多い保守車両ですが、この新型レール削正車が作業をする際には、線路から火花が飛ぶのが見えるかもしれません。

2026年はひだまりスペースが付く新型2000系もデビューします。

安全に安心して乗れる京王線、ますます魅力的になりそうです。

京王八王子駅はここ↓

・記事協力:京王電鉄

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