【八王子市】プログラミングの知識ゼロの八王子の子どもたちが、アメリカのロボット競技大会で大活躍。

南大沢

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2023年シーズンのアメリカ テキサス州ダラスにて開催された世界最大のロボット競技大会に3年連続で出場したチームが八王子市の南大沢に存在していました。
この2023年の世界大会を持って年齢制限によりチームは解散となりましたが、その活用や活躍を認められ、八王子市教育委員会から表彰され「南大沢スマートシティ構想」のイベントにも貢献しています。今日はそんな八王子の子供の頑張りをお伝えします。

ロボコン

■⾃宅の六畳間から始まった幼馴染2⼈のガレージチーム

⼋王⼦市⽴宮上中学校3年の住友和樹君と尾花勇我君は、1歳から⼀緒に過ごしてきた幼馴染です。2⼈がVEXロボティクスに出会ったのは⼩学5年⽣のことでした。2019年9⽉、三英株式会社の教育事業部(サンエイロボティクス)が主催したVEXロボティクスの体験会に和樹君が参加したのがこの物語の始まりです。

みんなで考え、話し合い、ひとつのものを作ることの楽しさを体験し、友達の勇我君を誘い、⾃宅の六畳間に、VEXロボティクスの専⽤スペースを作りました。

4年連続で⽇本代表チームとなり国内VEXシーンを牽引することになるサンエイロボティクス所属のガレージチーム「54506D Beast Hunter」の誕⽣です。

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VEXロボティクスを始めて2か⽉後の2019年11⽉、「スクリメージ」と呼ばれる練習試合で、早くも2⼈は初優勝をかざります。同年12⽉に東京ビッグサイトで開催された国際競技⼤会「iREX Cup」では、初めてのトーナメント出場でエクセレンスアワードを獲得する快挙を成し遂げました。翌年2⽉に開催された⽇本代表決定競技⼤会「VEX IQ Competition Japan Nationals」では、エレメンタリスクール部⾨で、初参加にして優勝。2⼈は⽇本代表となったのです。

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■新型コロナで潰えた⼆度の世界⼤会と初めての挫折

しかし、新型コロナウイルスの流⾏によって、⽶国で開催予定だった世界⼤会は中⽌。「アメリカの世界⼤会に⾏く」という夢は実現できませんでした。当時は外出もできなかったから、オンラインで話し合いながら、ロボットを作っていたそうです。

翌シーズン、中学1年⽣になったBeast Hunterは2回⽬の⽇本代表に。オンライン参加した2021年の世界⼤会ではプログラムが思うように動かず、実⼒を発揮できないまま終わってしまいます。「練習では上⼿くできていたのに、本番ではできなかった。これまでで⼀番、結果を出すことができなかった……」と当時の悔しさを話す和樹君。それ以降も失敗が増えていき、これまで順⾵満帆に進んでいたBeast Hunterは、初めての⼤きな挫折を味わいました。

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■世界に対抗しうるロボットを⽬指して

けれど、2⼈は諦めません。挫折から、Beast Hunterは再スタートしました。

2⼈の夢は、再び⽇本代表となって、アメリカでの世界⼤会に参加すること。1年後の2022年5⽉に開催される世界⼤会を⽬指し、挑戦が始まりました。

和樹君はテニス部、勇我君は卓球部と、それぞれの部活動の合間をぬって、毎週⽔曜⽇をVEXの練習⽇として必ず集まりました。

「⼤会前には週末も集まり、10時間以上練習していた。⼩学校時代より集まれる時間が少なくなった分、限られた時間を有効に使う⽅法を考え、真剣に打ち込むようになった」と和樹君は話しています。

この年を境に、2⼈のロボットの作り⽅が⼤きく変わりました。世界のレベルの⾼さを知ったことで、これまでの経験を⽣かした上で⾃分たちの持ち味を⽣かすいわば、“守破離”の“破”から“離”へと進んでいったのです。

■ついに世界へ チームで戦うことの難しさと楽しさ

2022年5⽉、Beast Hunterとしては3度⽬となる⽇本代表。ついに世界⼤会「VEX Robotics World Championship」出場選⼿として、2⼈はアメリカへ渡りました。

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世界⼤会の舞台は、VEXロボティクス誕⽣の地であるテキサス州のダラス。1万⼈以上収容できるアリーナで10⽇間に渡って開催される⼤規模なもの。

しかし、初めての世界⼤会では上位⼊賞は叶わず、世界のレベルの⾼さを改めて思い知ることとなりました。

■最後の世界⼤会で掴んだ⼿ごたえ

そして、2023年の4⽉。中学3年⽣になった2⼈は、再び⽇本代表としてアメリカへ。

世界⼤会では、⾃らのプログラミングやドライビングスキルを競う「スキルスチャレンジ」と、他の国のチームと即席でチームを組み、協⼒して課題に取り組む「チームワークチャレンジ」の競技がありました。

英語が苦⼿な2⼈にとって⾔語の壁は⼤きく、前年度はコミュニケーションがうまくいかず作戦が⽴てられなかったという苦い思い出が。けれど、今年は2回⽬にして、Beast Hunterにとっては最後の世界⼤会。「勝ちたい!」という思いで必死にコミュニケーションを取り、国を越えて共闘していったのです。

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この大会でプログラミングやロボティクスといったSTEM領域のスキルは勿論のこと、競技大会を通じて学んだコミュニケーション力、主体性、チームワーク力やタイムマネージメントといった非認知能力も大きく成長しました。

また、試行錯誤を重ねながら、より良い方法を主体的に見出すという数えきれない経験から、「決断力」というVUCAの時代には欠かせない生きる力を身に着けたのではないでしょうか。

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「VEXロボティクス」に出会った2⼈の幼馴染は、世界に挑戦する⽇本を代表するチームへと⼤きく成⻑しました。5年にわたってVEXロボティクスに挑戦し続けてきた、⽇本代表のガレージチーム「54506D Beast Hunter」

2⼈の⺟校である⼋王⼦市⽴宮上⼩学校では、Beast Hunterの活躍がきっかけとなり、学校に「VEXクラブ」が誕⽣しました。現在は、勇我君の弟をはじめとしたメンバーが世界⼤会を⽬指しています。

始まりは、1⼈の少年の「楽しい」という気持ちでした。それが友⼈に伝わり、学校へ後輩たちへと受け継がれ、そして世界中と繋がっていったのです。

和樹君と勇我君はプログラミングの知識ゼロからのスタートで世界の舞台に⽴ちました。

同じように、誰しもが、世界に挑戦できる可能性を持っています。

八王子の子供たちが夢に向かって一生懸命取り組んでいるのを応援したいですね。

ちなみに2024年のアメリカ大会には日本の女子小中学生のチームが出場することが決まりました。

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【VEXロボティクスとは】

世界中で導入が進むSTEM教育教材のリーディングブランドです。STEM教育(近年STEAM教育とも呼ばれる)とは、もともとは移民が多いアメリカで、幼少期のこどもたちにSTEM(科学・技術・工学・数学)への興味を育ませ、貧富、性別、人種等を問わず優秀な人材を育成するために研究された教育プログラムです。アメリカでSTEM教育が本格的に始動してから10年以上の時を経て、ロボット競技がこどもたちの学習意欲を育むだけではなく、チームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション力、グローバリズム、プロジェクト遂行力、課題解決力、クリティカル・シンキングといった21世紀の人類に必要されるスキルを育むことができるとして、世界中の教育関係者から注目されています。

VEXロボティクスは、コンピューターサイエンスを学習の軸とし【ハードウエア・ソフトウエア・カリキュラム・競技大会】の4つの要素から構成されており、こどもたちは毎年更新される競技大会の課題を攻略するために、ロボット工学やプログラミングに取り組んでいます。

⼋王⼦市⽴宮上中学校波ここ↓

情報提供:マグマグ様

2023/12/22 07:22 2023/12/22 08:13
Feet and head

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