【八王子市】稲刈りした事ないけどなぜか懐かしい。秋の収穫、 高尾山の麓の素敵な暮らし
山ばかりで平地の少ない、高尾地区では珍しい稲刈りの風景に出会いました。
気持ち良い秋の一日、高尾山のケーブルカー乗り場が少し混雑していたので山登りはやめ、麓の景色を楽しみながらお散歩している途中、絵葉書の一枚のような里山に出会いました。
真っ赤な彼岸花がちょうど満開。後ろでは稲刈りの真っ最中です。
畦道には彼岸花が今が盛りと咲き誇って、幻想的な雰囲気さえあります。街中の風景とはまた違う、八王子の素敵な一面を見せてくれます。
赤トンボが舞い始め田んぼ一面が黄金色に輝き出せば、いよいよ刈り取りの季節です。
右奥の建物は「TAKAO599ミュージアム」高尾山の情報が詰まった入場無料の博物館です。
この日もたくさんの人が訪れていました。遠くから高尾の自然を求めてくる人も多いですね。
稲刈りをした後は昔ながらの干し方、理想のお米の作り方として選ばれる、はざ(はさ)掛け(稲干し台)による天日干しをしていました。機械で乾燥させたお米とは一味違うと、お米好きから愛されている昔ながらの丁寧な仕事です。
ここのお米は粒揃いで美味しそう。高尾でもこんなに立派なお米が収穫できるのですね。
稲を刈るのだけでも大変な労力と思うけれど、干すために竹を切ってきて、組み立てて、束に結んだ稲を数限りなく干すのも大仕事。米作りにはたくさんの労力がかかります。
この稲干しが見られる期間は、たった1週間ほど。はさからおろした稲は水分値を調整し、もみすり(もみ殻を外す作業)した後、玄米や白米にします。
天日干しのお米は「炊飯すると干し草のようなハーブのような香りでそれはそれは美味しい」と評す方もいます。どんな味なんでしょう?新米をちょっと食べてみたいですね。
じっとしている私には秋風がひんやりと感じ少し寒かったのですが、作業をしていらっしゃる方は汗びっしょり。大変な重労働です。私が声をかけると、お忙しい中手を止めてお話してくれました。
彼女は二人のお子さんを育てながら代々続く田んぼを守る、笑顔の素敵な溌剌とした女性です。
専業農家さんではありませんが、すぐ近くに建てられたスローライフ愛好家からため息が出るような木のお家に住みながら、田んぼの世話をしていらっしゃいます。
軒下には高尾の寒い冬に備えてか、薪をたくさん貯蔵しています。絵本の中から出てきたような生活を想像してしまいますね。
お米は市場に流通させるような量は採れないとのことですが、これからも高尾の豊かな風景を守るためにも田んぼを守り続けてくださいね。
素敵なコメ作りの様子が見られて幸せな気持ちになれた午後でした。
記事中に出てきたTAKAO599ミュージアムはこちら↓