【八王子市】社会科見学で訪れた?郷土資料館が閉館。春にはサザンスカイタワーに移転・オープンします
昭和42年(1967年)4月に開館し、53年の間親しまれてきた八王子市郷土資料館の展示場が2021年3月31日をもって閉館します。
小学校や中学校の社会科見学などで訪れた方も多いと思います。
4月29日(祝・木)から、「桑都日本遺産センター 八王子博物館」として、新たにJR八王子駅南口直結のサザンスカイタワー八王子3階に展示場を移転・オープンします。
昭和38年頃、中央高速自動車道の建設にともない、市内宇津木町向原遺跡の発掘が行われ、多くの土器や石器が出土しました。
それを契機に、八王子の歴史資料を収集・保存しようという市民運動が起きました。
昭和39年には、市内の陶芸家井上郷太郎氏が収集した貴重な考古資料約1000点(井上コレクション)が市に寄贈され、ますます貴重な資料を保存・公開する施設を求める市民の声が高まり、東京オリンピック開催の記念事業の一つとして、展示・収蔵施設が建設されることになりました。
こうして、昭和42年4月1日に八王子市郷土資料館が開館しました。翌年には、博物館法により登録を受けました。
移転・オープンに伴い、呼びやすく親しみやすい愛称(略称)を郷土資料館にて募集しています。
募集期間は令和3年(2021年)3月11日(木)までです。候補は次の4つです。
現在、郷土資料館として最後の企画展「八王子の天災と疫病」(後期)を開催しています
令和3年(2021年)は東日本大震災から10年目となります。
郷土資料館では「いま、災害について考える」をテーマに前期・後期にわけ災害史の展示をおこなっています。後期では「地震と大火(火災)」を取り上げます。
八王子はこれまで甚大な地震被害を受けていませんが、地震に関する資料は残されています。宝永地震(宝永4年10月4日)に連動して発生した富士山噴火の火山灰が八王子にも降っています。また、大正12年(1923年)の関東大震災では多くの避難者を受け入れました。一方、八王子のまちは江戸時代から頻繁に大火災に見舞われ、そのたびに立ち直ってきました。明治30年(1897年)の八王子大火では、八王子町の三分の二が焼失しています。
過去に発生した災害を伝える50点の資料を通して、現在の防災や減災を考える機会にもなります。
また、令和元年度(2019年度)に市民から寄贈された資料の一部を公開しています。
【共有膳椀(ぜんわん)】
西寺方町の八幡神社の氏子の方々から寄贈いただいた共有膳(ぜん)椀(わん)。これは、家で結婚式を行っていたころ、上小田野組の13軒が共同で使っていたものです。多くのお客さんをもてなす量の食器を一軒の家で用意することは難しかったため、共同で食器を揃えて保管し、必要な時に借りるという慣習が広く行われていました。展示資料は明治27年(1894)に購入したものです。
【飾り金具と組子細工】
飾り金具は、八幡町で三代続いた飾り細工職人の方が製作されたものです。展示資料は鳳凰(ほうおう)や神輿(みこし)の装飾品で細かな細工が施されています。組子細工は、精密に切り出した細かな部材を組み合わせて、ひし形や麻の葉などの形を作り出す技術です。欄間(らんま)や、引き戸・障子などの装飾に用いられます。今回は、部材を中心に展示しています。寸分のくるいもなく作られた職人の技をご覧ください。
このほかにも、八王子の歴史と生活に関係する貴重な資料を展示しています。ぜひ、郷土資料館が閉館する前に見に行ってください。
会期は令和3年3月31日までです。
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