【八王子市】身近な場所の怖い話がいっぱい〜。あなたの近所、通り道。八王子の不思議な場所のことが知りたいですか?

八王子城址

画像はイメージです

八王子出身の作家「川奈まり子」さんの書いた「八王子怪談 逢魔ヶ刻編(竹書房刊)」が市内だけではなく、全国で大評判です。

これまでにも日本各地で起こった怪談を、緻密な取材と資料調査によって怪異に肉薄し、1冊にまとめた作品には定評がある作家ですが、こと八王子で育った彼女だからこそ書ける内容の濃い一冊です。

1話1話は2〜3ページくらいの長さのものがほとんどなので、本を読み慣れていない方でも簡単に読み切れるのですが、その分、この本には37話もの八王子市内を網羅する怪談が詰まっています。そう、あなたの家のすぐ近くのあの場所や、帰り道に通るそこの交差点などが舞台という可能性もあるので、怖がり屋さんには非常に危険な本です。

八王子怪談

画像提供:竹書房

【病院裏の地下一階】から抜粋

私が少女だった時分の八王子には、デパートやショッピングモールがたくさんあった。 うちが八王子に引っ越してくるより前の、1960年代から建ちはじめたという。

初めは八日町の辺りに百貨店ができたとか。順当な気がする。なぜなら、八王子十五宿は、八日市宿と横山宿という甲州街道沿いの隣り合う二宿を中心に栄えたのだ。 前者が八日町になり、後者が横山町になった。

八のつく日は八日市宿で市が立ち、四のつく日は横山宿で市が開かれ、いずれにおいて も、八王子産の織物などが売り買いされた。

私の古い記憶にある八日町から横山町辺りにかけての甲州街道沿いは、盛んでにぎやかな商店街で、伊勢丹、ダイエー、大丸デパートの巨(おお)きなビルの間を、小売りの商店や飲食店が隙間なく埋めていた。

うちがあった片倉から八王子駅の方へ向かうバスに乗っていると、横山町のバス停で降 りる人が多かった。私も、たまたま母の友人夫婦がその辺りで焼き鳥屋を営んでいたり、小学校の同級生たちとバスに乗って、ダイエーの手芸店までリリアン編みの糸を買いに行ったりしたので、何かと足を運んだものだ。

当時、八王子駅の北口には、「織物の八王子」と記された《織物タワー》が高々とそびえていた。白いタワーの足もとは噴水と緑の植栽に囲まれており、晴れた日などは水しぶきが眩しく輝いて、青空の下、バスロータリーは広くゆったりとしていた。昭和人の戯言に違いなく、記憶が美化されているのだろうが、70年代後半から80年代前半頃の八王子駅北口はとても美しかったと思う。織物タワーのある景色が懐かしい。

八王子駅

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うちは、同居している祖母が呉服店の下請けをする和裁士で、昔は世田谷で仕事をしていたが、片倉の家に移ってからは、市内の呉服店からも手縫いの仕事を請けていた。

一年三六五日、和服を着て和服を縫っている職人が一つ屋根の下にいた次第で、出入りする着物姿の人々、取引される艶やかな反物やたとう紙に包まれた着物、それらのほとんどが(人を含めて)八王子産だということを、私は子どもながらに知っていたのだ。

80年代に入ると、旧宿場町の界隈からは次第にデパートの姿が消えて、街の様相が変わっていった。結局、1983年に八王子駅の北口に誕生した駅ビルのそごう八王子店と、その隣の白い建物に赤い「〇1〇1」のマークが鮮やかな丸井だけが、その後も長く残った。

―さて、北口のロータリーから織物タワーが撤去された、一九九五年頃のことである。

当時、将央さんは、北口の丸井の地下にある模型店に勤めていた。

と、ここからマルイの怪談が始まるのですが、後は書籍でお楽しみください。

八王子神社

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川奈まり子さんは9歳から21歳まで八王子に住んでいました。今でも片倉台にご実家があるそうです。「八王子バイパスが着工する迄は家から道了堂まで大塚山の斜面を上って遊びに行けたものでした。まさか後に心霊スポットとして有名になるとは思いもよらず、朽ちかけたお堂は私たち近在の子どもの格好の遊び場でしたっけ」(川奈さん談)そんな環境で多感な時期を過ごした川奈さんの八王子怪談は、街の様子や時代の空気をきちんとした取材に基づき描いているので、単なる怖い話だけでは終わらず懐かしさも運んできてくれます。

八王子城跡に佇む異界。毎日“出た”旧マルイの地下・大和田刑場跡の凄惨な祟り・本当に人を攫った高尾山の天狗・小峰トンネルに潜む女の幽霊・霊道が通る大栗川沿いの家・霊気みなぎる高尾山や東京屈指の心霊スポット・八王子城跡――
東京のベッドタウン・八王子には豊かな自然と歴史、そして怪談好きを唸らせる数々の心霊スポットがあります。地元出身の作家・川奈まり子さんが、八王子ならではの怪異に迫る八王子怪談第二弾です!

川奈まり子 (かわな・まりこ)
八王子出身。怪異の体験者と土地を取材、これまでに5000件以上の怪異体験談を蒐集。怪談の語り部としてイベントや動画などでも活躍中。単著は『八王子怪談』をはじめ、「実話奇譚」「一〇八怪談」各シリーズのほか、『実話怪談穢死』『赤い地獄』『実話怪談 出没地帯』『迷家奇譚』『少年奇譚』『少女奇譚』など。共著に「怪談四十九夜」「瞬殺怪談」「現代怪談 地獄めぐり」各シリーズ、『実話怪談 犬鳴村』『嫐 怪談実話二人衆』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』など。日本推理作家協会会員。
川奈まり子公式YouTubeチャンネル
高尾山

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八王子怪談 逢魔ヶ刻編
川奈まり子
竹書房怪談文庫
発売日:2022/04/30  電子版も有ります。八王子市内の主な書店には並んでいます。

定価:本体680円+税(税込748円)

ISBNコード:9784801930902
心霊多発地帯・八王子を地元出身の著者が徹底取材
・幼少時代に住んでいた数寄屋造りの家には人ならぬモノも棲んでいた「祖父の家」
・戦国時代の惨劇の怨恨は今なお訪れる者へ何を伝えたいのか…「八王子城奇談」
・著者が再会した地元の知り合いから聞いた奇妙な話の数々「御陵の東」
・謂れのある場所に建つ家を買った叔父の顛末「さげ坂の家」――など37話収録。
八王子にゆかりのある方にはぜひ読んでいただきたい、老若男女必読の書です。

Feet and head

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