【八王子市】夢美術館で開催中の「愛のヴィクトリアンジュエリー」展。内容が濃くて見応えありますよ
八王子市八日町の八王子市夢美術館で特別展「愛のヴィクトリアンジュエリー 華麗なる英国のライフスタイル」が、2022年9月4日(日)まで開催されています。
この展覧会は2010年に渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでスタートし、長年かけて全国11館を巡り、12年目にして八王子市夢美術館に来た人気のロングラン展覧会です。
ヴィクトリア時代は1837年、18歳の女性ヴィクトリア(1819年5月24日〜1901年1月22日)が大英帝国の王位を継承し始まりました。
世界を支配していたと言っても過言ではない程栄えていた大英帝国は、「太陽の沈まない帝国」と呼ばれ、世界中の物資がもたらされ、金や銀、ダイヤモンドに象牙など、様々な富が美しいデザインのジュエリーとして享受されました。またアフタヌーンティーや今日の結婚式の様式美なども、ヴィクトリア女王の時代に完成されたものだそうです。
エメラルドとダイアモンド ゴールドセットは1830年ごろのイギリスの作品。ひと揃いのジュエリーがオリジナルの箱に収められているセットはとても貴重です。
金などの金属板の上にガラス物質を焼き付け、精密な人物などの絵柄を描いたエナメルは、宝飾品同様に珍重されてきました。高貴な方から、感謝の印や記念品としてプレゼントすることもありました。
イギリス王室では、家臣の忠実な奉仕に報いるために宝飾品を与えることもありました。上の写真は、アン女王から彼女の乳母に1702年に贈られた指輪です。
証書には約15ヶ月間にわたりアン女王に乳を与えたことをここに記すと書かれています。
イギリスといえばアフタヌーンティーが有名ですね。テーブルクロスと銀食器、素敵な茶器。優雅なお喋りの声が聞こえてきそうなセットが、夢美術館の中にしつらえてあります。
現代の日本でも主流の、花嫁が纏う白いウエディングドレスのルーツは1840年のヴィクトリア女王の結婚式から始まったと言われています。それまでの結婚式の衣装は金糸や銀糸を使った豪奢な衣装でしたが、ヴィクトリア女王は純潔を表す白いドレスを選び、繊細なレースでできたベールを被りました。上流階級の花嫁たちは女王に倣い、上の写真のような白いドレスを作り結婚式を待ち望んだようです。
こちらは日本のレースのルーツとも言われているホニトンレース。1850年から1880年ごろの作品です。細かい細工にため息がこぼれます。
1861年最愛の夫アルバートを亡くした後、長い長い間、黒い喪服を着て過ごしたヴィクトリア女王。喪服にアクセサリーで変化をつけ着用していました。
ジェットという蓄積された流木が化石化した宝石で、黒い琥珀・人類最古の宝石などと呼ばれています。上のネックレスは1870年ごろのジェットネックレスです。
こちらはヴィクトリア時代ではありませんが、ダイアナ妃の指輪も展示されています。
2022年6月2日から4日間にわたり、エリザベス女王(ヴィクトリア女王のやしゃご)在位70周年のプラチナ・ジュビリーの祝日が行われました。パレードやミサやダービー、バッキンガム宮殿特設ステージで行われたコンサートなどが開催され、イギリス全土がお祝いムード一色になっていたのは記憶に新しいところです。
1842年ごろに描かれたヴィクトリア女王の肖像画が、館内の宝石を見守るように飾られています。
今回訪れた「愛のヴィクトリアンジュエリー」展はかなり見応えのある内容の展示です。
八王子駅からも行きやすく市民が気軽に親しめる「暮らしの中の美術館」なので、一点一点の作品を心ゆくまで鑑賞できます。
私がお邪魔したのは土曜日の昼下がりでしたが、ゆっくりと作品を見ることができました。
涼しい館内で、贅沢な大英帝国の上流社会の暮らしに想いを馳せるのもいいですね。
ミュージアムショップも、品数がかなりあり充実しています。
小さいけれど満足感の高い夢美術館、おすすめです。
会期:2022/7/1(金)〜2022/9/4(日)
開館時間:10:00〜19:00 入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ただし、祝日の場合は開館し翌火曜日が休館
観覧料:一般900円 学生(高校生以上)・65歳以上450円 中学生以下無料
主催:公益財団法人 八王子市学園都市文化ふれあい財団(八王子市指定管理者)
八王子市夢美術館はここ↓
(美術館内の写真については許可を頂いて撮影しています)