【八王子市】八王子のソウルフード?味はラードで決まるという、正統派元祖パンカツの師匠に作り方を教えてもらいました
八王子のソウルフードと言われることもある、ごくごく一部の地域でのみ愛されている「パンカツ」を食べたことはありますか?
八王子に何十年も住んでいてもパンカツを知らない人も多いけれど、八王子の中心部では幼稚園に通っていた頃から食べ続けている人が、これまたたくさんいるという不思議フードがパンカツなのです。
本日はパンカツに馴染みのない人にも、本場のパンカツを紹介しちゃいます。
自らコテを握り、パンカツの全てを教えてくれるのは、なんと!「日本パンカツ協会」会長のパンカツ師匠Kさんです。
場所を提供してくれたのは「お好み焼やまと」さん。
お好み焼と並び、パンカツが堂々とメニューに載っている、八王子のお好み焼店の老舗です。
「日本パンカツ協会」によると、パンカツとは、食パンに水で溶いた小麦粉(うどん粉)を付け、さらにパン粉を付けてラード(豚の脂)で焼き上げ、ウスターソースをかけて食する、パンをカツに見立てた食べ物とのこと。
戦後の食料不足の中、八王子市元横山町にある八幡八雲神社の鳥居の下に出ていた屋台で、豚肉の代わりにパンをカツに見立てて販売されていたのが始まりとされ、リヤカーのおじさんが曳いて歩ける範囲の人しか知らない超ローカルフードだそう。
ちなみにパンカツは、2020年にテレビ朝日で放送された「相葉マナブ」の中で競われた、トーストを使った絶品料理トーストT−1でグランプリにも輝いています。
本日パンカツ師匠のKさんと共に指導に当たってくれるのは、日本パンカツ協会幹部のIさんとYさんです。Iさんはやさしい眼差しで後輩たちの鉄板を見つめ、Yさんは鋭い視線をパンカツに向けています。
用意するのは、食パン(6枚切り)。高級食パンではいけません。八王子市内にあるG務スーパーや、肉のHなまさ、Dンキなどで一番お安いものを求めるのが良い品選びだとか。
食パンは調理の前に10分ほど包装袋から出し、風に当てて少しバサバサ加減にするのがプロの技らしいです。
パンカツの味を左右するのは実はこのラード。ラードはケチらず高級品を使うとパンカツがより美味しく仕上がるそうです。
パンカツ師匠Kさんは、旨いラードを求めて日本中を駆け巡ったり、自分で豚脂からラードを手作りしたりしています。パンカツに対する愛情、半端無いです!
生クリームのようにふわふわのラードを、熱した鉄板に広げます。
食パンには、予め小麦粉1に対して水1.6ぐらいに溶いたものに浸し、パン粉をまんべんなく付けます。お好み焼やまとさんではこの状態の、衣のついたパンを出してくれます。
あれば粗めのパン粉を使うとサクサク感が増します。
なんか美味しそうに焼けてきたぞ!片面がこんがり焼けたらひっくり返して追いラードをします。
ラードは少し多めの方がカツ感が増します。
パンカツにおいては、肉がどこにも入っていないので、両面がこんがりと色づけば出来上がり。
誰が作っても、生焼けなどの心配のない安全安心な食品です。
ソース(ウスターソース推奨)を満遍なくかけて、コテで食べやすく切ったら出来上がり。
簡単・安い・美味しいソウルフードの出来上がりです。
パンカツ協会の使っているソースはフレンチのシェフがパンカツのために作り上げた特製ソースだそうです。
お家でパンカツを食べるなら、ケチャップやカレー粉、マヨネーズなどで味変するのもありかも。
日本パンカツ協会の認定を受けるには原則4か条がありますが、そうでなければ細かい事は言わずに「パンカツみんなで楽しく食べてくださいね」というスタンスも持っている優しい協会でした。
パンにパン粉をまぶした「パンカツ」
これはパンなのかカツなのかわからないと思ったのだけれども、他の何者でもない「パンカツ」なのだ!ということが理解できました。
食べてみた感想は「驚くほど美味しい」の一言。
サクサクの口当たりはトンカツより軽く、スナック菓子よりきちんとした食べ心地。一人で食パン2枚分はぺろっと食べられちゃいそうです。
上の写真の若い学生さんたちは、伝統的パンカツを引き継ぐために、日本パンカツ協会プロデュースのもと、日々パンカツ作りを勉強している頼もしい存在です。
日本パンカツ協会では、市内外のイベントなどでもパンカツの屋台を出しています。
今年は八王子まつりにも出店するかもしれません。大人気のパンカツなので、すぐに売り切れてしまうことが多いため、屋台を見つけたら、すぐに購入することをお勧めします。
【八王子市】はちまんさまのお隣にある「お好み焼やまと」で昭和にトリップ。価格も驚きの昭和です
お好み焼やまとはここ↓