【八王子市】東京で一番長い期間桜が楽しめる由緒ある名所「多摩森林科学園サクラ保存林」にお出かけしてみませんか
八王子市内でも桜があちこちで咲きだす季節になりましたが、今年は高尾駅から徒歩10分ほどの場所にある多摩森林科学園のサクラ保存林にお花見に行ってみませんか?
多摩森林科学園は、茨城県つくば市にある日本で最大の森林・林業・木材産業に係わる研究機関である国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所の支所の一つです。
園内の桜は2月から咲く種類の桜もありますが、お花見でお馴染みの染井吉野が咲いても、その後に咲くサクラの方が多数だそうです。東京で最も遅くまでお花見が楽しめる場所といわれています。
多摩森林科学園は、都市近郊林が有する多面的機能を発揮させるための管理・利用技術の開発や、動植物の多様性保全・生態系の役割解明、サクラの遺伝資源に関する研究などを行っています。
また、森林総合研究所が蓄積してきた研究成果を基に、広く国民に森林・林業・木材産業についての理解を深めてもらうための普及・広報活動を行うとともに、園内の樹木園・試験林・サクラ保存林などを活用し、研究資料の提供や研鑽の場としても大きな役割を果たしています。

撮影:多摩森林科学園2025年3月27日
上と下の桜の花の写真は2025年3月27日現在のエドヒガンの開花の様子です。
サクラ保存林は、各地の著名なサクラの遺伝子を保存するために昭和41年((1966年)に設置が決まりました。
現在8ヘクタールの面積に江戸時代から伝わる栽培品種や国の天然記念物に指定されたサクラのクローンなど、全国各地から約500系統約1800本(2020年11月現在)が植えられています。

撮影:多摩森林科学園2025年3月27日
咲く時期は種類によっていろいろで、2月下旬から4月下旬にかけて順次見頃となります。
エドヒガンなどの開花が一気に進み満開となったものもあります。染井吉野は都心より3日遅れで開花しました。 クマノザクラはまだ木が小さく、花は少ないですが咲いています。
多摩森林科学園は、1921年(大正10年)2月に宮内省帝室林野管理局林業試験場として発足し、2021年で100周年となりました。
当初は御料林(戦前の皇室所有の森林)の経営に関わる試験・研究を行ってきましたが、1945年(昭和20年)8月1日の八王子大空襲により、庁舎や実験室の大部分を消失しました。その後、「分室」、「実験林」と名称は変わりながらも研究を続け、1988年(昭和63年)に「多摩森林科学園」となりました。いまのような形で一般公開を始めたのは、1992年(平成4年)からだそうです。
サクラ保存林ではあちこちに木製のベンチがあり、お弁当や飲み物を持ち込んでの飲食はオーケーです。ゆっくりお花見を楽しんでください。なお、アルコール類は禁止です。
園内ではお弁当の販売はありませんので、高尾駅北口(駅構内にパンなどを販売しているカフェ一言堂や駅の外にファミリーマートとセブンイレブンなど)で購入するのも良いかもしれません。
サクラ保存林は山の斜面を利用して植えられているので少し登りがありますが、登ってしまえばあとはほぼ平坦な道のりです。ちょっとしたハイキングに行くような歩きやすい靴で来園してください。
下から見上げるサクラだけでなく、上から見下ろすサクラや向こう側の斜面のサクラなど少し違った角度も楽しめます。
併設されている森の科学館には、森林に関わる研究成果がわかりやすく美しく展示されています。(上の桜は奈良の八重桜)
サクラ保存林には今年、サクラの由来を記録した150枚の表示板が新設されました。
どこからどういう名前で多摩森林科学園に入ってきたか、そして近年詳しく調査した結果、何という種類なのかを記しています。
自分の故郷の桜に出会えたらちょっとうれしいですね。
各地の桜の開花した状態をクリスタルに収めた素敵な展示が森の科学館にあるので、こちらも楽しんでみてください。
多摩森林科学園サクラ保存林
午前9時30分~午後4時(入園は午後3時30分まで)(4月は9時開園)
園内地図はこちら。令和7年開園日カレンダーはこちら。
入園料:4月は大人300円、子供(小・中・高)100円です。
その他の月は大人200円、子供無料です。
多摩森林科学園サクラ保存林はここ↓
・記事協力: 多摩森林科学園