【八王子市】ベイク・サトーはこの道47年。やさしいおじさんが一人で営むパン屋さんは後3年で閉店予定
八王子市散田町5丁目の市立横山中学校前にある小さなパン屋さん。
47年続く、おじさんが一人で切り盛りしている町のパン屋さんです。
実は、あの西八王子の人気フランス菓子店「パティスリータツヤササキ」のシェフも絶賛のパン屋さんです。
ベイク・サトーは1人で製造から販売までこなしているとは思えないほど種類豊富なパンが並んでいます。
具があふれんばかりに詰まったサンドイッチ。朝4時半からパンを焼き、具材の揚げ物やサラダを仕込みます。
焼きたてのパンは朝日を浴びて冷めるのを待っています。
午前中の早い時間に行くと、袋詰めされる前の焼き立てのパンに出会えます。
人気のチョコデニッシュは、中にチョコレートを入れて焼き上げたあと、冷めてからとろとろの熱いチョコソースをかけて仕上げます。
カレーパンの具ももちろんおじさんの手作り。そんなに辛くないけれど柔らかめのパン生地にマッチする焼きカレーパンです。
こちらのパンは中にじゃがいもがまるまる1個入ったボリュームのあるじゃがいもパン。
冷めてもなぜか美味しいじゃがいもと薄いパン生地が、スナックの様な後引くハーモニーを奏でます。
ファンの多い写真左のりんごパンは、中にたっぷり入ったリンゴのコンポートとシナモンが優しい甘さで満足感があります。
右はウグイスあんぱん。和菓子職人のように餡を素早く包む様子はベテランの技を感じさせます。
レーズンパンにはこれでもかという様に干しぶどうがぎっちり巻き込んであります。
こんなに入れたらこぼれるかパンクするんじゃないかと、作る様子をハラハラしながら見ていたのですが、さすがの職人技。1粒もこぼさずきれいにパンになっていくのでした。
ベイク・サトーの店主はこの道47年。朝4時半からパンを焼き、7時半に店を開けます。
朝いちばん早いのはパン屋のおじさん♪という歌のとおりの生活を50年近く毎日続けているのですから頭が下がります。
17時半に店を閉めると次の日の仕込みのため、りんごを煮たりカレーを作ったりと、まだまだ休めません。
お店を飾るテント看板には「寄贈 横山中学校卒業生」の文字。地域で愛されている印ですね。
この日も30年ぶりにベイク・サトーを訪れたという女性が来店していました。学生時代いじめにあい、卒業してからも1度も近くを通れなかったという女性は、「今日ここに30年ぶりに来れたことで1歩踏み出せる気がします」と涙ながらに話してくれました。
卒業生の写真がたくさん貼ってある店内は、思春期の辛いことうれしいこと、みんなの思い出も詰まっているのかもしれませんね。
しばらく前までは日曜日しか休まなかったそうですが、最近は体のことも考え、木曜日と日曜・祝日をお休みにしたそうです。
後3年でお店を閉める予定という83歳の店主さん。どうかその日までお体に気をつけて、優しい温もりのパンを焼き続けてくださいね。
ベイク・サトーはここ↓