【八王子市】大和田で作っているパルシステムのパン、無償で市内などの子ども食堂や高校に年間25,882袋配布
八王子市大和田町にある、生協大手パルシステムのパン製造工場「パルブレッド」
パルブレッドは、製造上発生する「予備分パン」を八王子市内の子ども食堂や高校での配付用食材として活用しているそうです。
パルブレッドでは、2021年度は地域のNPOや支援団体を通じて年間25,882袋のパンを配付したことがわかりました。2022年度もコロナ禍で調理品の提供が難しい状況が続く中、そのまま食べられると困窮者支援活動で喜ばれるパンを提供していきます。
素材にこだわり、添加物に頼らないおいしさがパルシステムの組合員から強く支持されているパルブレッドのパン。八王子工場で製造されたパンが、食料支援の場で活躍しています。
提供されているのは、パンを製造するたびに発生する「予備分パン」。「組合員の注文に滞りなくこたえるためにいつも予備の分も含めて焼くので、どうしても余ってしまうのです」と説明するのは、同社管理部で支援の窓口を担当する松下悠さんです。
以前から予備分パンは産直豚の飼料などに活用されてきましたが(※1)、それでも、月曜日から木曜日は1日200~300袋、生地を使いきらねばならない休み前の金曜日は400袋ほどが余剰になっていました。これらがフードバンク八王子(※2)などを通じ、地元の子ども食堂や高校に配布食材として届けられています。
※1:パルブレッドのパンの予備分を廃棄せず資源として生まれ変わらせるため、パルシステム神奈川の独自の産直豚『神奈川のすくすくパン豚』の飼料として提供。資源循環型のしくみを構築しているそうです。
※2:八王子を拠点に、食の提供を通じて様々な支援機関と連携しながら、困窮する人の社会性を再構築することをめざしています。
支援窓口を担当するまで、貧困や困窮者の問題をあまり身近に考えたことがなかったという松下さん。パンを受け取りに来るフードバンクやNPOのスタッフから話を聞き、食べるのに困っている人が決して少なくない現実を知ったそうです。
「お弁当を持って来られず、売店で買うこともできない高校生がめずらしくないと聞き、本当に驚きました」
支援先の窓口となるフードバンク八王子の担当者によると、自分のためだけでなく夕食用に食パンを家に持ち帰る生徒もいるそう。「素直に感情を表現しにくい年頃ではありますが、感謝の気持ちは態度から自然に伝わってきます」と担当者。
ほかの支援の場でも、コロナ禍で調理品の提供がむずかしくなっていることもあり、そのまま食べたり配ったりできるパンはとても喜ばれているそうです。
一方で、経営的な視点から見れば「余剰はできるだけ減らす」が鉄則。あくまでも「発生してしまう」余剰を活用しての支援であるため、数量もパンの種類もあらかじめ約束できないというジレンマも。さらに、保存のための添加物を使っていないパルブレッドのパンは賞味期限が短く、配布するタイミングが限られる一面も。
「あてにしてもらいたいけれど、『あてにしてください』と自信をもって言いきれないのがもどかしいですね」と松下さん。それでも、手紙や画像で子どもたちの笑顔を見ると、取り組みの意義を改めて感じ、力づけられると言います。
「この先も、パンの提供を継続して行っていく予定です。利益に直結することではありませんが、パルシステムグループの一員として、地域社会の課題解決に貢献することを優先していきます」と力強い声が返ってきました。
パルシステムでは会員向けに毎週25種類ほどのパンを用意しています。
連携しているフードバンクより
コロナ禍で無料食堂が開催できなくなったとき、地域で困っている人のためにと始めたのが食料配布です。パルブレッドさんのパンは、生協ということで安心感があり、何よ「おいしい」という声をよく耳にします。中身がしっかり詰まっているパンなので重いのですが、子どもたちの笑顔を思い浮かべながら運んでいます。パルブレッドのスタッフのみなさんがいつも気持ちよく迎えてくださり、運搬にも協力してくださるのもとても助かっています。
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パルブレッドはここ↓