【八王子市】ご存知ですか?昭和の八日町はデパートがまっ盛りだったこと。八王子には伊勢丹・西武・大丸・イノウエ・まるきなどがありました
かって、八王子の中心街だった八日町にあった「イノウエ百貨店」の手ぬぐいを発見しました。手ぬぐいは持ち主の手によって刺子が施されていましたが、色も鮮明で、賑やかだったイノウエ百貨店の様子を今に伝えてくれています。カトレアはイノウエ百貨店のシンボルフラワーで、当時、カトレア会という積み立て友の会に入り、お得に商品券を手に入れていた方もいらっしゃるかもしれません。
昭和35年(1960年)12月に八日町に、八王子で最初の百貨店「まるき百貨店」が創業し、続いて昭和38年10月に同じく八日町で開業したのが、この手ぬぐいに描かれているイノウエ百貨店。
東京のデパートのようなハイカラな商品を並べ、食品から洋服、貴金属、呉服屋おもちゃなど、八王子の人々をとりこにしました。
中でも人気があったのは、イノウエ百貨店の屋上遊園地とお好み食堂。
コーヒーカップや本当に空中を飛ぶ飛行機など、楽しい屋上遊園地で遊んだ思い出を持っている方も多いかもしれませんね。まるき百貨店には観覧車もありました。
上の写真の灰皿は、イノウエ百貨店のお好み食堂で使われていた物。左の湯呑みは、まるき百貨店お好み食堂の茶碗です。どちらもお店が閉店した時に八日町町内会に引き取られ、現在は八王子の中心街が大いに繁栄していた時代の証としての資料価値が高いと、八王子市郷土資料館に保管されているそうです。
イノウエ百貨店のお好み食堂のキップ(食券)は、エプロン姿が印象的なお姉さんが、片手でキュッと半分に切って半券をテーブルに置いておくスタイル。その食堂ではクリームソーダと、旗の立ったお子様ランチ、ホットケーキにラーメンと、子供も大人もワクワクするようなメニューがたくさんありました。
現在の八日町の様子を見ると、1971年に閉店したイノウエ百貨店の跡地はマンションに。1968年に閉店したまるき百貨店の跡地は、岡島百貨店から小杉会館、そして現在のエルシィに変わっています。
伊勢丹や西武・大丸など、一流のデパートがこぞって出店していた八王子。丸井や長崎屋、忠実屋、岡島百貨店、田原屋、十字屋、ながしまデパート、ライフアップ大丸、緑屋東店、緑屋西店などもありましたね。
日曜日には甲州街道が歩行者天国になり、デパートでは毎週末にピンクレディーやキャンディーズ、森進一さんなど、当時一番売れ筋の歌手が新曲キャンペーンをしたり、山下清さんがサインをしながら絵の販売に来たりと、夢のようなにぎわいと活気が溢れていました。
こちらは高尾地区で配られたと思われる手ぬぐい。
婦人会と呼ばれる、女性の教養と福祉の向上を図る地域の集まりでも、上手な買い物の啓蒙活動などがあったのかもしれません。美容院に行って髪をアップにし、子供によそ行きを着せて、ハンドバッグを持って街に買い物に行くのが流行っていた時代です。
八日町はこの辺り↓