【八王子市】原画の美しさを楽しめます。八王子市夢美術館で絵本作家「ピーター・シスの闇と夢」を6月30日(金)より開催

八王子市夢美術館 ↑飛行士と星の王子さまサン=テグジュペリの生涯絵本表紙原画 2014年 Ⓒ Peter Sís / エリック・カール絵本美術館寄託　

八王子市夢美術館で「ピーター・シスの闇と夢」を2023年6月30日(金)より8月31日(木)まで開催します。

チェコ出身で現代アメリカを代表する世界的絵本作家、ピーター・シスの絵本やアニメーションの原画、ポスターなど、その幅広い創作活動を紹介します。

エリック・カール絵本美術館も特別協力している、貴重な展覧会です。

八王子市夢美術館 ↑鳥の言葉絵本原画 2011年 Ⓒ Peter Sís / エリック・カール絵本美術館寄託　

チェコ出身でアメリカを代表する世界的絵本作家のピーター・シス（1949生）は、ロサンゼルス五輪を機に渡米し、映画「アマデウス」のポスターを皮切りにニューヨークを拠点として活躍します。

「ピーター・シスの闇と夢」展は、絵本原画やポスターなどシスの幅広い創作活動を紹介しています。

八王子市夢美術館 ↑ハッピー・チルドレン原画 1998年頃 Ⓒ Peter Sís / エリック・カール絵本美術館寄託

展覧会概要
現代アメリカを代表する絵本作家ピーター・シス。

その作品は国際アンデルセン賞など、数々の絵本賞で称えられ、多くの人々を魅了しています。

1949年にチェコスロヴァキア（現チェコ共和国）に生まれ、首都プラハや留学したロンドンでアニメーションを学んだシスは、ベルリン国際映画祭アニメーション部門で金熊賞を受賞するなど高い評価を得ます。

しかし、当時のチェコスロヴァキアは冷戦の暗い影にのみこまれ、独創的な表現が許されがたい状況にありました。国際的に活動していた映像作家の父や、一時期をアメリカで暮らした祖父の影響で、幼いころから多様な文化に親しんでいたシスは、より自由な表現を求めアメリカでの活動を選びます。

八王子市夢美術館 ↑三つの金の鍵―魔法のプラハ絵本原画 1994年 Ⓒ Peter Sís / エリック・カール絵本美術館寄託　

シスの絵本は、祖国チェコへの想いを描いた作品、小さな子どもたちのための作品、広い世界を旅した英雄の物語、ダーウィンやガリレオなど強い意思を貫いた偉人の伝記など、そのテーマは様々です。

また、アニメーションや新聞・雑誌の挿絵、公共空間のためのアートプロジェクトなど、その創作の軌跡には表現することの渇望と喜びが溢れています。

今回の展覧会では、影から光へとたどってきたシスが人生をかけてつむいだ、闇と夢が織りなす作品の数々を紹介しています。

八王子市夢美術館 ↑Hlavy(Heads/頭) アニメーション原画 1979年 Ⓒ Peter Sís / エリック・カール絵本美術館寄託　

開催概要
会期
2023年6月30日(金)〜2023年8月31日(木)
会場八王子市夢美術館
住所東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F
時間
午前10時から午後7時（入館は閉館の30分前まで）
休館日
月曜日（ただし7月17日〔月〕は開館し7月18日〔火〕が休館）
観覧料
一般900円　学生・65歳以上450円　中学生以下無料

八王子市夢美術館 ↑星の使者―ガリレオ・ガリレイ絵本原画 1996年 Ⓒ Peter Sís / エリック・カール絵本美術館寄託　

ピーターシスは2012年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞し、その授賞式のスピーチでは、自分の絵本が子供たちと夢追い人をつなぐ「橋」であり、絵本を通じて自分や夢を信じることの大切さを子供たちに伝えたいということを話しました。

そして大人が読んでも感動し、啓蒙させられるような題材の絵本＝新大陸を発見したコロンブスや、宇宙の真理を追求したガリレオ・ガリレイ、教会の圧力を恐れながらも、生物の進化への研究に没頭したダーウィン、戦争や事故に屈せず空を飛び続け、生きることの意義を探求した星の王子さまのサン＝テグジュペリなどの人物が偉業を成すまでの過程に迫った絵本作品も生み出しました。

ピーター・シスの生まれた頃のチェコスロバキア（現在のチェコ共和国およびスロバキア共和国）は、長きにわたり自由が奪われ、国外へ出ることや情報を得ることなどが禁止されていました。1982年ロサンジェルスオリンピックの準備のためにアニメーターの一人としてアメリカに招待されたピーターは、帰国命令が出てもその地の生活を手放さずアメリカに亡命しました。

そんなピータ・シスの背景を考えながら、繊細な彼の絵を見ると、絵本を読んだ時とはまた違った発見もありそうです。

八王子市夢美術館